映画の中の自分を見つめて。〜21期俳優部映画撮影&上映会〜
2016.1.12
2015年秋。俳優部本科の映画がSAGのB1F、OMEGA TOKYOにてついに上映されました。
俳優部が春から映像演技について学び、夏には朝から晩まで撮影、炎天下で行ったロケ。
役者としてだけでなくスタッフとして準備や作業にも追われ、疲労困憊な11名でしたが、このカリキュラムによって映像演技と舞台演技がどれほど違うのか、裏方のスタッフさんがどれだけ大変かを身をもって知ることができました。
制作側の苦労が分かってこそ、皆から愛される役者になれるのかもしれませんね。
俳優部のメンバーに、撮影中の感想と、出来上がった作品をの見た感想を聞いてみました。
撮影後は監督によって編集されて作品が完成するので、意外と本人たちは出来上がりがどうなっているのか想像がつかず、完成品を見て驚きの連発のようです。
レッスン生コメント
山時未彩
撮影中は、とにかく毎日へとへとでした。舞台と違い、ほぼ毎日が本番で、自分のシーン以外でもピリピリしている程でした。
すべての撮影が終わって感じたのは、体力と集中力不足です。
一日中撮影で、同じシーンを何度も撮ると、自分でも感じるほど集中力が落ちているのが分かり、リテイクの度に悔しい思いをしていました。
舞台と違い、物語の一部を切り取りながら撮影していくので、既にテンションがあがった状態の撮影も何度もありました。そこでも集中力と体力が思っている以上に削られ… 自分の課題に絶望する毎日でした。
よく俳優さんが映画の宣伝などで「僕もまだ完成を知らないので観るのがたのしみです」なんて言っていますが、自分が演じていて台本もあって完成を知らないって変なのと思っていました。
が、完成品を観るまで結末すらわかりませんでした。
演じているときも、完成がどうなるかなんて考えていません。
それでも、一本の映画として完成していることにすごく感動しました。
今回私は撮影に携わるスタッフはしなかったのですが、カメラを回した人、小道具を作った人は、自分の撮影したシーンや小道具が映画の一部として生きている事に、きっと私以上に感動したのではないかと思います。
熊谷瞳
映像の撮影は舞台とは違い、物語の時系列がバラバラに進んでいくうえ、ひとつのシーンでも細かくカットがかかるため、気持ちやテンションの変化、関係性の変化など、様々なことを保ちながら、考えながら芝居をすることの難しさを感じました。
また、スタッフワークの大変さも目の当たりにしました。私達も少しはお手伝いをさせていただきましたが、監督が動き回りながら撮影を行っている姿を見て、現場のスタッフさんの大変さが見え、その支えに感謝しなくてはと思いました。
実際に自分の姿を映像で観ると、自分の芝居(台詞はもちろん細かい仕草なども)や自分の容姿など様々なことが気になり、目につきました。芝居については一挙一動役として生きていなければ成立しないと思ったし、容姿については、一刻も早くリフトアップしなくてはと思いました。
また、今回アフレコがあり、収録中には気がつかなかったのですが、映像で観ると、実際に身体を使っている芝居と、後から録った声の芝居のテンションの違いが気になりました。
久保智明
はじめての映像演技、どうなるんだろうとドキドキしながらやってました。
一番大変だと思ったのは、集中が続かないことです。
舞台なら少し集中が切れても周りの芝居や、芝居の流れのなかで取り戻せるのですが、映像はカットごとなので、一度集中が切れてしまうと、取り戻せなくてだいぶ焦ってました。
舞台との芝居の差もあり、どんな芝居を求められているのか、考えながらの撮影でした。
完成した作品を見たときは、驚きがたくさんでした。
撮影中はシーンを繰り返すごとにそのシーン全体がわからなくなっていたのですが、作品をみて、こういうシーンだったのかと、観てから気づいたことが多々ありました。
撮影中、いかに自分のことでいっぱいいっぱいだったかを思いしらされました。
もっと全体の進行や監督の想いを汲み取れるように精進します。
TEL:03-5310-3535 FAX:03-5310-3838
MAIL:sag@actorschool.jp
このページに掲載されている記事、画像、音声の無断転載を禁止いたします。