日曜レベルアップクラス修了公演「昭和の絵本」
2014.3.17
2月22日(土)23日(日)、声優部週1日レベルアップ日曜クラスの修了公演が行われました。
戦時の物語を演じるにあたり、夏から戦争に関する勉強を行ったレベルアップクラス。
戦時中の生活。特攻隊として生きること。家族を兵隊として送り出すこと。勉強を進めるほど、戦争で命を落とす恐ろしさや生きていることへの重みを実感していきます。
大きなエネルギーが必要な舞台でした。レッスン生に感想を聞いてみました。
レッスン生感想
東脇由貴
台本に目を通した時、漠然と思ったのは、戦争の話という衝撃でした。
もともと夏の特集で戦争ドラマは欠かさずチェックしていたり、歴史が好きだったこともあり、胸が高鳴りました。
私が演じた役は、肺病で防空壕の中で、一人孤独に暮らすムツミという少女で、共感できる部分が多くある中、本番3日前まで、まるで私自身がロボットみたいに台詞や動作も自分の中にスッと落ちてくれずにいました。
このままではいけない、やるからには諦めたくない、そう思いました。
一年を通して付き合ってきた、大事な仲間と今できる最高の演技をどうしてもやり遂げなければ、後悔すると思ったからです。
実際本番は、練習で培った演技ができたりできなかったり、それでもやっぱりみんなでお芝居をするのは楽しくて、もっとやりたい。上手くなりたい。楽しみたいって、最後まで欲張りに舞台上にいた気がします。
SAG大好き。この公演に関わった全ての皆様にありがとうの気持ちでいっぱいです。
大石裕行
「自分にはキツイな…」配役をされて台本を読み終えた後に思った本音です。
自分に与えれた役は上官大尉の役でした。
平気で人を殴り、言葉で追い詰めて責める、そんな酷いことをやるのは正直厳しいなぁと思いましたが、どうすれば良いのかを考え、日常から差別用語を使ってみたり、敢えて色々やってみましたが中々しっくり来ずに悩みましたが、ある時アメリカ軍が入隊したら最初に何をするのかを知り、海兵隊の話を知り、何故そこまでするのか理由を知り、やっと酷いことを出来る理由を自分の中に落とすことが出来ました。
しかし、この大尉は、人間として、戦人としてかなり悩める男でもありました。大尉は主人公に遺書を書かせます、その時女々しく涙を誘うような文章を書けと言います。せめて家族に本当の言葉を届けてやりたい、そんな思いをもらった気がしました。揺れ動く男故にたくさん考えましたしたくさん悩みました。
稽古はもっと大変で、最初は立つことも歩くこと喋ることもできなかった自分が公演の時にあそこまでやれたのも仲間達からの助言、先生からの指導のおかげで少しづつ良くなり、公演の時にアドリブが一つ言えるまでになっていました…
それ故でしょうか公演終了後に良かったと声をかけていただけました、本当に嬉しかったです!
みんなとやってきた一年間、今思えば楽しいことばかりでした。
鈴木潤
僕の欠点。それは「自己完結させてしまう」こと。その結果演技が独りよがりになる。演技だけではなく生活や人との関わりの中でも、そういった独りよがりなところが僕にはあり、キャスト全体の和を乱す一因となりました。
本番一週間前、演出家に告げられました「これではお客さんに見せられない」と。
そして自分の独りよがりな点について喝を入れられました。「一人で芝居はできない」と。
芝居ができなくなることが怖い。自分の中で芝居というものがどれだけ大きなものになっていたのかを思い知りました。それを自覚したからこそ、残りの一週間「みんなと一緒にやれることをやろう」そう思うことができました。「相手に委ねる」ことを少しずつ意識してみました。
その成果か回を重ねるごとに良くなっていき、本番、カーテンコールの時、お客様からの拍手を聞きながら「お客さんに見せられない」と言われた自分たちが、今舞台の上でお客様からこれだけの拍手を頂いている…感激しました。
千秋楽。今までにはないものを感じました。それは「衝動」。
相手の反応から感じ取り、感情が溢れ出し、自然と次の言葉が出てくる。今まで自分がやっていた「芝居」では感じなかった「衝動」でした。
相手の反応のおかげで、初めて感じた衝動。そのおかげで今まで出せなかった反応が自然に生まれ、一番しっくりきた。それはお客様にも伝わったようで最後に最高のものを作れた。やりきることができた。それが本当に嬉しかったです。
精一杯やった。やりきった。出演者からはそんな声が聞こえました。
また舞台を観覧されたお客様の多くが涙を流され「良かった」「感動した」との言葉をかけていただきました。皆で作り上げたものにお客様が応えてくださる。スタッフとしてもこんなに嬉しいことはありません。
最後に演出を担当して頂いた勝沼紀義先生、演出助手大西葵さん、ご来場下さったお客様。誠にありがとうございました。
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