プロデビュー

卒所生が劇団サードクォーター『昭和の絵本』へ出演

2015.7.31

昭和の絵本

6月半ば、SAG卒所生が出演する舞台公演がありました。タイトルは『昭和の絵本』。一昨年SAGの所内公演でも上演された作品です。

『昭和の絵本』はもともと劇団サードクォーターさんの作品で、所内公演用に許可を頂きSAGで上演されました。

その縁がきっかけとなり、今度はSAG卒所生が劇団サードクォーターさんの公演に出演させて頂けることに。。。何と会場はさいたま芸術劇場。大舞台に挑んだ卒所生に感想を聞きました。

劇団創立25周年・戦後70年・第35回本公演 「昭和の絵本」

昭和の絵本

2015年6月13日(土)14日(日)
彩のくにさいたま芸術劇場

高山 力也

高山 力也

出演した感想
自分の力で何かを成したとか、努力が実を結んだといった事よりも、キャスティングして頂いた、共演者に恵まれた、戦後70年というタイミングに恵まれた、などなど…転がってきたチャンスをうまく拾えた、言うなれば非常に幸運でした。
ただ技術に優れているだけでは成し得なかった公演でした。
それ故に、この公演の成功を自信にはせず、次のお芝居に打ち込みます。
SAG在籍中と卒所後の変化
公演にお金が関わってくるようになった、というのが一番の変化だと思います。
準備金もそうですが、チケット代もとるわけですから一公演ごとの責任も増していますね。
自身のお芝居に関して、下手くそなのは変わりません(笑)

赤堀 颯太

赤堀 颯太

出演した感想
あんなに大きな劇場でやらせて頂くことは初めてだったので、小劇場とはまた違った表現方法や動き方など色々な事が新鮮で、学ぶことがたくさんありました。
出演者全員、大きな怪我もなく無事に本番を終えることができ、約3ヶ月という長いようで短い時間でしたが、ほんとに楽しかったです!
SAG在籍中と卒所後の変化
在籍中は、やはりどこか教えて貰っているという意識があり、公演は自分が稽古の中でどれだけ成長できていたのかを確かめる場として考えていました。
ですが、養成所最後の公演からお客さんに観て頂くことをしっかりと意識して本番まで臨むということが段々と見えてきました。
卒所後もいろいろな舞台に出演しましたが、観に来て頂けるということがどれだけ有難いことなのか、1公演ごとに噛みしめることが出来るようになったことが在籍中との一番の違いだと思います。もう少し早く気づければ良かったなと心からそう思いました。

宮本 厚志

宮本 厚志

出演した感想
とても勉強になりました。大ベテランの役者さんと芝居をすることや、全くふれたこともなかった演出のやり方など、とても楽しかったです。
SAG在籍中と卒所後の変化
取り組みに関して変わったような気がします。養成所の頃はガッチガチだったのに、卒所後は何か開けたような感じです。それは教えてくださる人や演出によって変わることなのかもしれません。

仁禮 裕太

仁禮 裕太

出演した感想
楽しかったです。
SAG在籍中と卒所後の変化
変わったこと:養成所は「教わる・学ぶ」ところなので、演じているときもその気持ちが強かったように思いますが、卒所すると「魅せる・お客様に満足していただく」という風にシフトしていきました。皮肉なことに、そう思ってからの日々の方が収穫がたくさんあったので、SAGにいたころから気付くことが出来ていたら……!!とちょっと後悔してます。
今勉強している人は、ぜひ「見る人を楽しませるにはどうすれば良いのだろう」という気持ちを大切にしてほしいです。

今回お世話になりましたサードクォーター大神田座長からコメントを頂きました。

今回のSAGのメンバーと共演することになったきっかけは?
2013年、私はSAGでの公演を実際に見させて頂きました。
『昭和の絵本』は我々サードクォーターにとっては出世作でもあり、数多くの方々から好評を頂いた作品であります。これが、松濤アクターズギムナジウムで演じられるとは・・・我々自身でも難解且つ、演じ手一つで作品を殺しかねないと試行錯誤の中でやっていましたから、正直どうだろうと、興味と不安で荻窪に向かったのを今も良く覚えています。
いざ始まってみると、各個人が役を楽しみながら、実に活き活きと舞台を走る回る姿にいつしか引きこまれていったのです。
終演後すぐに出た言葉は、「次昭和やるなら、彼ら4人とやりたい」それでした。
今回の公演の感想をお願いします。
2015年、サードクォーターと稽古をともにする中、4人が最初に戸惑ったのは、さいたま芸術劇場という劇場の広さへの対応でした。
奥行きの広さと、芸術劇場独特の180度見られる環境への芝居の配慮、大神田演出の動線による芝居作りなど初づくし。しかし、自分が見て選んだ4人は本物でした。日々進化を見せる対応力には感心しました。
『昭和の絵本』は、今、色々な所から公演の依頼等が少しずつ声が掛かって来ています。今となっても『昭和の絵本』メインの4人は彼等以外に今は思いつきません。
劇団サードクォーターについて教えてください。
「さいたま市にある劇団として地元に根付こう」をモットーにしている劇団です。今回25周年記念公演行うに至りました。そこで、埼玉県民や市民への声掛けなどを行い、演劇を通して地元の方々を活性出来ないかと考えた訳です。
今回異例の小学校4年生の女の子の参加がありました。以前サードクォーターの舞台を見て、「あの人たちと舞台に立ちたい!」とご両親にお話しされたようです。
普段ならば、お断りする年齢ですが、彼女の熱意で引き受けました。こうした地元の身近な人との共演は、我々に良い影響を与えてくれています。
今後の活動
地元に根付く第3弾への動きが始まろうとしています。ワークショップ等計画中です。誰でも参加できる基礎稽古は、毎週火曜に劇団事務所でやっております。現在のテーマは『劇場の広さによって変わる芝居作りと見せ方の違い』『動線について』の2本を柱に実践中です。
劇団の公演をSAGの方々とやるようになった縁で、参加してくれたSAGメンバーみんなが素直で貪欲でまっすぐに要求へ答えを導こうとする力を感じます。
次も、又その次もお声掛けさせて頂けたらと心より思っております。

昭和の絵本

卒所後もSAG生には良い出会い、色々な劇場、作品に挑戦して欲しいと思います。
今後の彼らの飛躍を期待しています。

最後に劇団サードクォータ様、関係者の皆様へこの場を借りましてお礼申し上げます。誠にありがとうございました。

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