SAGレポート

声優部本科 修了公演『生きてるものはいないのか』

2017.3.25


3月9日(木)~12日(日)松濤アクターズギムナジウム地下1階OMEGA TOKYOにて、声優部本科による修了公演が行われました。

題材は、前田司郎作『生きてるものはいないのか』

病院に併設された大学キャンパスを舞台に、クセのある様々なキャラクター達が登場します。
都市伝説を研究している学生たち、友人の結婚披露宴の出し物の相談をしている学生たち、自分の婚約者と元恋人との修羅場に直面している男、アイドルグループに所属する現役学生、病室を抜け出す娘など…
そのうちの一人が突然苦しみ出し、まもなく死亡。それをきっかけに、彼らは次々と不可解な死を迎えてゆくのです。

原因は一体何なのか?
作中では都市伝説となっている殺人ウイルスの存在がほのめかされていますが、実際の原因は最後まで明らかにされていません。
まさに、「生きてるものはいないのか!?」と言いたくなるような、そんな不条理な物語…。

4日間に渡り行われたステージは、6公演すべて満席状態。
お忙しい中会場に足を運んでくださり、温かい声援をくださった多くのお客様に、心より御礼申し上げます。

レッスン生感想

片岡あゆみ

今回の公演で初めて、「舞台の上で遊ぶ」ということの意味を知れた気がします。

私は今まで、台詞を完璧に覚え、動きを正確に再現し、本番間違えないようにすることに一生懸命でした。もちろんそのために稽古があり、一番良い状態のものを見せたいという思いからでしたが、純粋に芝居を楽しめていたかと聞かれると自信がありません。

演出の北島先生が教えてくださった「台本通りに」表現すること、そして「役者同士のアンサンブル」の大切さ。
この2つを知ることで、舞台に対する向き合い方が変わりました。
「同じ本でも、役者が違えば全然別の役になるのだから、個性なんか作らなくていい」という言葉にすごく救われたのを覚えています。

レッスンごとに変わる演出やクラスの皆の芝居に、本番前ギリギリの稽古でもいつもわくわくしていました。
客入れの時間がカラオケ大会になった時は本当にびっくりしましたが(笑)
いい意味ですごく力が抜けて、のびのびと演じられた気がします。

少ない舞台経験の中ですが、今までで一番楽しく、一番いいものになりました。
北島先生、スタッフの方々、本当にありがとうございました。

上石直行

まずは、今迄お世話になった事務局の皆様、講師の皆様、同期のみんな。
本当にお疲れ様でした。そして、ありがとうございました。

今回の公演は卒所前最後の公演だったので、自分の課題を見つける良い機会だったと思います。
舞台の上で生きる、会話するという事の大変さを改めて知りました。
常に気を配り、相手に、舞台に、観客に集中するスタミナ、精神力の不足を感じました。

これから先、自分の自由な時間が増えます。
それを如何に見つかった欠点を無くしていく、そして更に自分の魅力を磨いていく、そんな時間にしていけるかが今後の自分の課題だと思います。

マイク前でも、立ちでも、芝居のできる【役者】を目指して日々精進。頑張ります。

本当にありがとうございました。

秦奈美

修了公演を通して一番感じたことは「全てがまだまだである」ということ。

そもそも演技をするための体力や体の作りが足りない、台本を読む力が足りない、観察する力が足りない、想像する力が足りない、思ったことを表現する力が足りない、「考える」ことが足りない…とにかく全てが足りておらず、力不足なことばかり。
足りないどころか「ない」ものすらあったかもしれない。
とにかく「自分(自分たち)はまだまだ」と、それを痛感した。
そしてそれは演技以外の部分でも多くあった。

「自分たちに足りないもの、出来ないことが沢山ある」その事に改めて具体的に気がついたこと、悔しさと共にそれを感じ、考えたこと、これが何よりの財産だったように思う。

その思いがあったからこそ自分の中ですごく変わった、と思った部分もある。
でもそれは本当に本当にほんの少しの進歩でしかない。
「しんぽ」の「し」の字くらいかもしれないし、それにも達していないかもしれない。でも確かに変わり、進んだのだ。

これまで色々な方に教えていただいたことがすべて繋がり、そしてこれからの自分に必要なものを痛感する、だけどそれが力となってお芝居をする楽しさ、色々な人と創る楽しさを今までにないほど心から感じるとても良い経験になった。
この想いを胸に、もっともっと進めるよう変わっていきたいし、新しいことに挑戦していきたいと思う。

このように充実した気持ちで未来に向かうことが出来るのは、支えてくれたたくさんの方がいるからだと本当に心から思う時間でもあった。
なのでこの場を借りてお礼を伝えたいと思う。
本当にありがとうございました。

古賀尋子

修了公演を終えて、自分の新たな課題が見つかりました。

もっと考えること、もっともっと自分を相手に見せること、伝えること。

でも2年前の自分には、きっとそれは全然課題として認識されていなくて、自分がどう変化したらいいのかをずっと考えていたんだろうなと思います。

自分自身をどうするかじゃなくて、相手にどうして欲しいかを考えることは、ずっとおこがましいことだと感じていました。
それが自分の中の常識でした。

でも、それはきっと自分が楽なだけで、ただ相手を信じることのほうが自分にとってずっと勇気がいることだったんだと、今回の公演を経て感じました。

それに気づいた今は、「色んな人たちと何かをすることは、自分の知らない自分を引きずり出してもらうのにもってこいの機会じゃないか!今までなんてもったいないことをしてきたんだ!」と悔しい気持ちと「これから先、一人では出会えなかったであろう自分に沢山出会える・・・!」という期待感でとても高揚しています。

色んな人たちに新しい自分を掘り起こしてもらうためにも、もっともっと精進していこうと思います。

二年間、本当にありがとうございました。

改めまして、演出をしてくださった北島先生、舞台監督としてお越しいただいた劇団ムジカフォンテの松本様、音響照明を担当してくださったスタッフの皆様、本当にありがとうございました。

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