プロデビュー

東京FM特別番組 「ア・ラブ・ストーリー」

2012.3.6

粕谷菜摘

昨年11月末に放送された東京FM特別番組「ア・ラブ・ストーリー」のメインキャストに、SAG在校生の粕谷菜摘さんが大抜擢されました。

3・11の大震災が、今も確実に多くの人々の心に傷を残している。
震災から1年が経過しようとしている今。
あらためて、多くの人々が言いようの無い悲しみに捕らわれた事実と、そんな中でも希望に向って力強く歩みだしている真実を知り、「これから」を考えさせていただける、素晴らしく意味のある作品でした。

文末になりますが、東日本大震災により亡くなられた方々に心よりお悔やみ申し上げますとともに被災された皆様に謹んでお見舞い申し上げます。
1日も早い復旧がなされます事をお祈りいたします。

平成23年度(第66回) 芸術祭参加作品(ラジオドラマ部門ドラマの部)
東京FM特別番組 「ア・ラブ・ストーリー」

2011年11月29日25時放送

あらすじ

2011年3月11日金曜日、14時46分18秒。
千年に一度とも言われるとてつもなく大きな地震が東日本を襲った。観測史上最大のマグニチュード9.0の巨大地震と、太平洋沿岸に押し寄せた大津波などによって、1万5840人の命が失われ、今なお3611人もの行方不明者がいる。
平凡な日常を送っていた希(のぞみ)は、この大災害の日から何度かけてもつながらない親友の美帆(みほ)に、今日も電話をかけつづけていた。
人間の姿が見えない街、飼い主と食べ物を探し歩く犬たち。
テレビの映像に流れる悲惨な光景に、希ができることはコンビニへのわずかな義援金。
家族や親戚を失わなかった希にとっては、遠い場所での遠い出来事のようだった…。

粕谷菜摘 感想

粕谷菜摘

東京FMという、本当に大きな、誰もが知っているラジオ局の番組に出させていただける、ということ。始めは実感が湧きませんでした。ですが、台本をいただき、改めて3月11日の大地震のことを調べていくうちに、とても大きなメッセージが込められた作品なんだとわかりました。そして、そこに携わるということへの責任感。とても緊張しました。

収録の日、3月11日に実際被災地で放送されたという東京FMの番組を聞かせていただきました。
どこで、誰が生きているよという呼びかけ。海岸に打ち上げられた溺死体。嘘がない悲惨な状況の描写、明確な事実。そしてなにより、子どもに呼びかけるアニメの曲や昔話の読み聞かせ。
ブースの中で、涙が出そうになりました。
東京に住んで怪我や物の破損など、直接受けた被害が何もないからといって、本当に何も知らなさすぎた自分を恥ずかしく感じました。

今回の収録で、テレビやインターネットが使えない状況でのラジオ放送が、どれだけ大きくありがたい存在なのかを知ることができました。

この放送を聞いて、改めて大事な人を大事にしなくちゃと思ったよ、と声をかけてくれた人がいて、私も誰かの気持ちに何かを届けることができたのかなと思うと、安心しました。

ラジオという仕事、声の仕事、まだまだ知らないことの方が多いですが…本当に勉強になりました。人に伝えるということへの意識が、またひとつ変わったように感じます。

東京FM局長を始め、ご一緒させていただいた方々、及川中監督、事務局の方々、本当にありがとうございました。

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